"外"の汚染された空気のせいか、ひどくむせる。
だがこみ上げてくる吐き気は、喉を締め付けるそれは汚染のためだけではなかった。
『"外"だろ、あいつらがいるのは』
治外法権だから、と友達は笑っていた。
"外"なら自分と同じような人間がいるのだろうか。
生きられているのだろうか。
ふらり、と迷い込むようにドームの外を出た。
その先にあったのは拒絶に近い現実と、足掻いても逃れる術すら―
いや、その意志さえ持っていない自分が浮き彫りになっただけだった。
いつでも戻れるようにデータを改竄したのも、外でやれる自信がないことを無意識に理解していたからだ。
『死にたいのか』
わざわざ防護マスクを脱ぎ、怒鳴りつけてきた男の声が耳なりのように頭に響く。
確かに自殺行為だった。
だけど死ぬつもりはなかった。生きたかった。
そのままではいずれ死ぬことはわかっていた。
でも生きたかった。
死んででも生き続けたかったのだ。
はじめて"力"で人を傷つけた。
中でのことではなかったから、知られることはないだろうが、危険な力だと思うと寒気がした。
狩られても仕方がないだろう。
それでも死にたくない。
『人はひとりだよ』
『そうかもしれない』
『だけどお前の中の芽が、外に出たいと言っているのが聴こえる』
このまま何もしないまま死ぬのは嫌だ。
せめて、それならばせめて
*
「協力します」
「本当かい?」
「父の死の原因を突きとめられるんですよね」
「…命の危険を伴うよ」
「どうせ死ぬなら、それ相応のことをやったほうが華々しいじゃないですか」
「華…か。やれやれ、これは責任重大だねぇ」
(やっぱり君に似ているね)
真っ直ぐに見つめてくる少年の眼差しに、ニノベは苦笑する。
(君への供花がこの子の命にならないように僕も全力を尽くすさ)
*
そんなにシリアスにされても困る。
思いついた場面をメモってことで。
主人公(えれきたん)は内向的。
決してアクティブではなく、率先して何かをやりたいとも思わないし
目立ちたいとも思わない。
いつ死ぬかわからないからって将来のことも考えてなくて進路希望は白紙。
でもたぶん天の邪鬼。
生きたくて仕方がないけど、種のまま腐るんじゃないかって不安が展望を塞いでる。
あれ?
いつのまにか私自分の部屋でうとうとしてたw
風呂はいるのにw
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