高校にあがり、学校にも慣れてきたマナキは父親に呼ばれる。
父親は数年前から体が弱くなっていて、床に伏しがちだったが、その日は白い着物をきてマナキを待っていた。
「マナキ。そろそろお前に『鬼継ぎ』をしなければならない」
それはマナキに退魔師の力を継ぐということ。
だが、それには辛いさだめがあった。
鬼継ぎは、代々つたわる数珠を受け取ることで成立する。
それは後継ぎの中に鬼の人格を生成すると同時に、その力を使役できるようになるということだ。
だが、数珠を受け渡した先代は、己の鬼を制御することができなくなり、魂も体も食いつくされる…。
よって赤鏡家の跡取りは鬼化した先代を倒さなければならない。
うまくいけば、喰い尽くされる前に鬼だけを退治できるだろう。
だが、なんということか。
父親の鬼はマナキと戦う前に、外へ飛び出していった…
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