忍者ブログ

« 前のページ | 次のページ »

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

« 前のページ | 次のページ »

あくま日誌 苺薔薇

ナンシー・ペアポワル(ナシ子)とリンゴ
 
 
リンゴは元々リバイアサンだったけど アダムとイブ関係で手足をもがれて蛇になった設定。
 
そしてナシ子は生き残り、不死身になったリバイアサン♀。
 
なぜにリバイアサン♀が出たかというと ラスボスにしようかと。
 
 
 
古事記と同じく自分なりの解釈と設定で地位や関係を決めてるので細かいつっこみは無しで^^
 
 
 
リンゴの復活後にナシ子不死身の力が切れた。
ベリアル位置の者が不死身の従者を従えて復活すると聞いて
不死身の力を手に入れるためにショートとケーキを狙う。
 
地上においてセイレーンとも呼ばれる人気歌手。海外で活躍していたが
インディーズから一躍トップに輝いたショートに歌手としての嫉妬も抱いていた。
 
さらにベリアル=サタン位置の起用により
ルシファー位置のシュクルに自分より近しかった関係なことにも嫉妬。
長きにわたり安穏としていただけに、ベリアル位置の復活によって
自分の地位が脅かされることにおびえる。
 
 
リンゴのことは双子のように好いていて、
シュクルの子供として復活したことを自分のことのように誇っているが
かつてとは性格が変わり、ショートやケーキとも仲良くする奔放な姿に苛立ちもしている。
 
 




PR

あくま日誌

« 前のページ | 次のページ »

(no subject)

将来ネーブルとナツが戦うことになったらおもしろいなぁ。
私が。

あくま日誌

« 前のページ | 次のページ »

あくま日誌 こあくまくりすま 4

「で、話って何なんですか?」
仕事用の椅子にかけるピクルス。
こうなったらさっさと相手の用件を済ませるしかない。

「んー。あ、そうだ。君、さっき出かけてたんだよね?」
どさどさと本や書類を落とし、
すきまのあいたアンティーク調の机上にどっかと腰かけるココア。

「ええ。仕事用書類を従兄弟のところまで」
床に散らばった紙を、自嘲的な目で眺めるピクルス。

「君の仕事ってさ…」

と、そのとき電話のベルが鳴った。

「はい。黒山羊です」
即座に受話器をとって応対するピクルス。

「…はい、少々お待ちを」
頷きながら、すっと手を伸ばした。

一瞬にしてその手は本を掴んでいた。
本棚は三メートル以上はなれた壁にあるというのに。

左手は瞬く間に望みのページをあばき、ピクルスは電話の相手に必要なことを伝え、右手は手帳にその内容を連ねていた。

「ーはい、了解しました。では」
あっという間に受話器をおく。

「…で、なんですか?」
「今のすっごいね~!」

ココアは身を乗り出し、目を輝かせた。

「瞬間移動みたいに本がすごい速さで飛んできたけど!」
「こんなの、僕の家族はみんな使えますよ」

先ほどの本を再び手に持つ。
すると巻き戻したように スパン と小気味よい音をたてて本は元の位置に収まった。

「物体を直線的に移動させる能力です」
「えっ、どんなものでも?」
「僕が位置を把握していることがとりあえずの前提で、対象の重さにも限りがあります。
障害物にぶつかった場合、移動が妨げられることもあります」
「なるほど。でもいいなぁ、それ。
君の一族がマジシャンと言われるだけのことはある」
「…どうも」

ココアは首をかしげる。

「心こもってないね?」
「あんまり一族の話は好きではないので。だからここでひとりでやってるんです」
「…そうなんだ…」
「人間の悪魔信仰の管理や監視、勧誘」

ピクルスは淡々と言う。

「勧誘などはともかく、僕は儀式の類が嫌いなんです」
「…ああ~」

ココアは何か納得した表情。

「えっちな儀式が苦手なんだね」
「っ!!」

ピクルスは椅子ごとひっくり返った。

「僕の胸さわっただけで気絶したものね」
「な、な、あ、あ…っ」

ピクルスは赤面し、しりもちをついた状態のまま、よろよろと後ずさった。


あくま日誌

« 前のページ | 次のページ »

あくま日誌 こあくまくりすま 2

目覚めると、少女が上から自分を見つめていた。

「大丈夫?」
「うわわっ」

慌てて飛び起きる。
…膝枕されていたようだ。

「いきなり気絶するから驚いたよ」
「お世話をおかけしました。先ほどの失礼も詫びます」

寝てる間に頭が冷えたピクルスは、相手の話を遮るようにまくしたてた。

「ですが勝手にここに入ってこられるのは困ります。
ここは僕の事務所であり、プライベートな場所でもある。
この部屋には家族ですら許可無しには入れないんです。
だからあなたがいるのは僕としてはとても困る。
できるだけ早く出て行ってもらえますか」

「ココアでいいよ。僕もピクルスって呼ぶから」

のんびりした口調で、そう返された。

「…僕の話、聞いてました?」
「うん。でも用事が済んでないし」
「用事があるなら電話でアポイントとってください」
「わかった」

ココアはうなずいた。
あれ、意外にあっさり…とピクルスが思うもつかのま。

ピクルスの仕事机に置いてある電話機の受話器をとるや、

「もしもしピクルス? これから僕とお話しましょお~。そんなわけでヨロシク」

そう言って受話器をおいた。

「これでいいでしょ?」

にっこりと笑う相手に黒い子山羊は、追い出すことの無理さを悟った。



あくま日誌

« 前のページ | 次のページ »

あくま日誌 こあくまくりすま 1



鈍い灰色の空の下。
白い壁に黒い屋根のこじんまりした屋敷があった。

黒い癖毛の髪に、反り返った山羊の角をもつ悪魔の少年は、
黒い枠に仕切られた窓を吐息で白く濁らせた。
外の景色を覆ってしまうように。

ガラスに跳ね返された息が彼の丸メガネまでもくもらせた。

短くため息をつきつつメガネを外してハンカチで拭い、再びかけてから窓に背を向ける。

と、生暖かい風とともにまたもや視界が白くなった。

「うわっ?」

そのことにもだが、風の正体が何者かの息だということに何より驚き、少年はのけぞった。

「だ、誰ですか!?」
「こんにちは~」

慌てて指で拭いて確保した視界には、見知らぬ人物が立っていた。

「扉、開いてたから入っちゃった」
「な…っ?!」
「君、ピクルスだろ?ピクルス・サワー、15歳」
「そ、そうですが…」
「ぼく、ココア・アラモード。君と同い年」
「へ?おないど…じゃなくて!」

少年、ピクルスは慌てて状況をつかもうとした。

「誰ですかっ」
「ココアだってば」
「じゃなくて、どうやってここに!?」

先ほどまで、ここには他に誰一人いないはずだった。
この部屋だけではない、この屋敷には現在、ピクルスしかいないはずだったのだ。

「君、さっき帰ってきたんでしょ。玄関開けっ放しだよ」
「そんなはず…」

否定しかけて、ピクルスは気づいた。

「…ああ、僕としたことが」

電話をとるのに急いだため、慌てて閉め忘れたのだ。

「…それであなたは何のご用で?泥棒か何かですか?」

玄関は自分のミスだが、だからといって勝手にはいってくるなんて、あまりにも理不尽で常識がない…

いや、法外なのが悪魔の本分ではあるのだろうが、不快を訴える権利はあるはずだ。

ピクルスは不機嫌そうに招かれざる客を睨んだ。

「君に会ってみたくて」
「…は?」
「同い年なのに見たことなかったからさ。興味あったの」

と、相手はピクルスをじろじろ観察するように周回した。

「ふ~ん。君、ちっちゃいね」
「な…っ」

ピクルスは真っ赤になる。

成長をとめているわけでもないのに、15歳にもなって150センチしかない背と童顔は彼のコンプレックスだった。

「お、大きなお世話です!もう用は済んだでしょう、早く出ていってくださいっ!!」

がまんの限界。
ピクルスは力いっぱい相手を突き飛ばす
 
…つもりだった。

だが、予想外の感触があった。

「へ?」

驚いた拍子に力がぬけるが、全力で踏み込んだ足が行き場をなくし、
バランスを崩す。

「うわあっ」

ピクルスは相手ともども、その場に倒れてしまった。

「…つ…」
「それは僕のセリフだよ…」
「うわっ、ごめんなさい」

ピクルスは相手の上に乗る状態になっていた。

「…ん?」

まだなにか手の感触がおかしい。
視界はぼんやりしている。
今の転倒でメガネがとんでいった…?

「す、すみません。メガネおちてませんか?」
「…あ、あった」
「あ!…ありがとうございます。生まれつき目が悪くて、これがないと全然…」

レンズを拭いてかけなおし、相手を向くピクルス。

「…んん?」
「ところでさー…」

そしてピクルスは硬直した。

「いつまでひとの胸さわってんの?」

先ほどからの感触は、まさにそれだった。

「しかも押し倒してとか。意外と強引なタイプ?」
「…お…」

女の子?!

「うわあああああっ」

狼狽して飛び退くピクルス。
相手ものっそりと体を起こした。

鎖骨に届く、ゆるやかに波立った髪。
長いマツゲに縁取られた、気だるげな眼。
そして男にはないはずの胸部のふくらみ。


それまでレンズの汚れで気づかなかったが、たしかに相手は少女だった。
それも美少女。

「ご、ごめな、さ…っ」

逃げ腰で後ずさりながら、ピクルスは謝る。

だが相手はにっこり笑って近づいてきた。

「そんなに謝らなくてもいいよ。わざとじゃないんだし… 元はといえば、僕もわるいしね」
「も、そ、れ、は…っ」
「でもなんでそこまでビビるかなー?」

じりじりと、気づけばピクルスは壁に追い詰められていた。

「そっちのほうがちょっと傷つく…」

少女は哀れな少年の手をとり、

「あ、もしかしてー」

いたずらっぽく笑んで、

「こおゆうの、はじめて?」


自分の胸をさわらせた。




ピクルスは、限界だった。




あくま日誌